京王の路線は井の頭線系統以外の全路線は軌間が1,372mmの馬車軌間が採用されています。これは原型に当たる京王電気軌道が軌道法によって建設されたためと言われています。
同様の大手私鉄はこの他にも京成電鉄と京浜急行電鉄(当初は京浜電気鉄道)がありました。いずれも東京市電(現在の都電)への乗り入れを考慮して建設されましたが、京王は東京市電への乗り入れは行われなかったそうです。
1950年代に入ると都営新宿線との直通運転に向けて1,435mmの標準軌に改軌することが検討され、1960年代に登場した5000系や2010系等は標準軌対応台車を採用するなどして改軌に対応した設計とされました。しかし、改軌工事中の代替輸送の確保や膨大な費用がかかる等のリスクがあったことから新宿線建設に当たって京王と同じ1,372mmで建設されました。その後京成は都営浅草線と京急に乗り入れる際に標準軌に改軌され、京王は大手私鉄で唯一馬車軌間が残る事業者となりました。